12月17日に雲南市役所にて開催した雲南市脱炭素フォーラムでは、10〜70代までの様々な年代の方総勢60名にご参加いただき、盛況となりました。講師の飯田氏と共に雲南市の地域主導・参加型の自然エネルギーについて可能性を探りました。
〇株式会社シグマクシスの調査報告
再生可能エネルギー導入の可能性として、自律分散型でコストが安く、導入も早いことから太陽光発電が最も適しているのではないかとご提案いただきました。
雲南市での中長期的な流れとしては、
まず、太陽光を軸とした再生可能エネルギーの導入に力を入れ、
次に、蓄電池やEVの導入などにより調整力を確保することで、
エネルギーの自立・地域経済の循環を実現するのではないかとお話いただきました。
雲南市の10%が再生エネルギーを利用しており、雲南市のポテンシャルは現在の8倍にも上ること、宮古島の例もあげ、脱炭素には「一人一人の行動が大きな結果を生む」ため、市民の参画が欠かせないとメッセージを送られました。
〇NPO法人 環境エネルギー政策研究所所長 飯田哲也氏
「地域主導・地域コミュニティ参加型のエネルギーをどのように生み出し育ててゆくか〜雲南市での可能性を探る~」
冒頭で、新しい知見として、世界で再エネ100%が実現できれば温室効果ガスの産出量が産業革命前に戻るという希望のあるお話がありました。
現在、日本以外の国では、太陽光・陸上風力にかかるコストはあらゆるエネルギー源の中で一番安いものになっているそうです。さらに、蓄電池も大量生産でコストが下がってきています。今後は圧倒的に太陽光発電が増え、一部風力発電という割合になっていくと予測されています。
日本では、2022年度では過去最大の貿易赤字となっており、特に化石燃料の輸入が最も大きな割合を占めているという現状があります。雲南市でも、電気・ガス・石油を使うことで総生産の約106億円が市外へ流出しているため、脱炭素の側面以外の経済的な側面から見てもエネルギーの自給自足が必要だそうです。
そこで雲南では、純粋な国産エネルギーであり、資源が膨大に存在し、永続的で、二酸化炭素や放射能を排出しない太陽光と風力を導入することを、デンマークのサムソ島をモデルに提案してくださいました。
デンマークのサムソ島では、島民出資の風力発電を作り、10年間で自然エネルギー自給率4%から、150%に高めることに成功したそうです。
また、地域エネルギーハブの「場」と「核」を創る対話が必要であると述べられました。
市民全員に開かれた多様な人が参加できる地域の参加の場を設けて対話を行っていく中で、信頼関係の構築や人材が広がっていきます。
地域エネルギーハブを核に置き、みんなで所有しておけば、地域新電力の利益の大半が地域に還元されるそうです。
結論として、太陽光発電をメインに地域内のお金とエネルギーの循環体制をつくっていくと良いのではないかとご教授いただきました。
〇ワークショップ
「今後、市民一人ひとりの理解を深める方法を模索する必要があるのではないか」
「市の主導ではなく、市民で動き出すことが必要ではないか」
というご意見があり、市民主体となって取り組む必要性を感じていらっしゃる方もおられました。
〇出展ブース
小さなお子さんもVR映像体験やごみゼロゲームなど、楽しく環境について触れていました。
キエーロコンポストにご興味を持たれた方も多く、雲南市民の脱炭素への意識が少しずつではありますが高まっていると感じました。
〇参加者からのお声
参加後のアンケートでは、
「とても満足」「やや満足」が89.6%を占め、
「こうした機会をありがとうございました。続けて話していける機運づくりを市民が引き継いでいけるといいなと思いました。」
「同様のテーマで話し合う場をあちこちで設定してもらえるとうれしいです。」
というお声があったため、参加者の方々にも満足いただける内容だったのではないかと思います。
ご参加くださった方々、ありがとうございました🙇♀️
〇講演動画
★飯田哲也氏の講演はこちら
★雲南市役所 環境政策課・株式会社シグマクシスからの報告はこちら